コピーアートペーパーとの出会い
この、とても性能の悪い印画紙は中学生から教えてもらった。授業でカメラを作ったと聞いたが、
普通のフィルムは使っていないらしいし、教室で、暗闇の中でもなく、結構ラフな扱いをしているらしい。
数十年前のことになるが、練習船海王丸の暗室の中で写真班として白黒のフィルムの現像と紙焼きを
薄暗い赤い電球の下で行っていた。真水が貴重なので水洗いが不十分になりがちで困っていたことを
思い出した。
自作のカメラで初めて撮った愛車スイフト。
この中学生が使っていたという感光材料とはいったい何か、しかも「アイロンをかけると絵が出てくる」
とは???
そこでコピーアートペーパーの言葉を初めて聞いた。
この紙は、非常に感度の低い印画紙の様なもので、青い色しか出ない。晴天の建物の外で1時間ほど
感光させて、取り出してすぐにアイロンをかけると数秒で画像が現れる。直射日光さえ当てなければ
自分の体を盾にすればカメラから取り出しても数秒間なら大丈夫だ。
授業で作ったという、ティッシュケースにフレネルレンズを嵌め込んだようなカメラを見たが
映ったものが、撮影した本人しか認識できないほどぼやけている。先生は「なかなかいい」
と褒めてくれたとか。
しかし、カメラというのだから、こんな実力ではいけないのではと、子供の理科の宿題を取り上げる
親のような気分になってしまった。